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「第8回日本自動車会館フォーラム」開催
御成門小学校の5年生を招待し当会館関係者が講演
テーマは「人型ロボットの開発」と「自動車の現在と未来」
 

 日本自動車会館入館14法人で組織する「日本自動車会館運営協議会」(代表=小枝至日本自動車会議所会長)は4月18日、東京・港区の日本自動車会館「くるまプラザ」会議室で「第8回日本自動車会館フォーラム」を開催した。小学5年生は社会科で自動車産業を学ぶ学年であることから、今回も近隣の港区立御成門小学校の5年生を招待。第1部では、当会議所の池田哲也企画部長が「人型ロボットの開発について」をテーマに、第2部では、日本自動車研究所(JARI)経営企画室の筑井啓介主任研究員が「自動車の現在と未来〜電気自動車を中心に」と題し、子どもたちと交流しながら講演した。同フォーラムは、平成16年3月4日に同会館が開設したのを記念し、毎年開催されている。

熱心にメモをとる子どもたち

 第1部では、人型ロボット「ASIMO」(以下、アシモ)の広報に携わってきた経験がある池田部長が、アシモの映像や開発秘話を交えながら現場の臨場感あふれる話を子どもたちに語った。

池田部長によると、アシモの開発コンセプトは「人間と一緒に暮らしていけるロボット」だったという。研究者たちは、人間の役に立つロボットにしたいと考え、荷物を持って階段を上れるような二足歩行ができるロボット開発をスタートさせた。しかし、池田部長は、「人間の歩く仕組みはすぐに分かったが、ロボットを歩かせることは至難の業だった」と振り返る。ある研究者はカブトムシを買ってきてカブトムシが歩く様子を見たり、別の研究者は勤務中に動物園に行ってツルやダチョウの歩行を観察したり、また子どもが生まれた研究者はわが子の足だけをビデオに撮って研究したりと、前人未到の挑戦が始まったという。

 その結果、1986年に足だけのロボット「E0(ゼロ)」が誕生した。池田部長によると、一歩歩くのに5秒かかったというが、「1年に一つずつ進化させたものを造っていき、7年後の1993年、ようやく人間のように歩けるロボットができた」。それが「P1」という名のロボットで、池田部長は次のように子どもたちに説明した。

 「P1の大きな課題は、ケーブルでたくさんのコンピューターや電源とつながっていないと動かせないことだった。そこで、コンピューターや電源をロボットの体内に収める研究が始まった。そして1996年、ケーブルでつながっていない『P2』が完成した。P2は階段も上れる、世界初の人型ロボットで、この完成を機に世界の人型ロボット開発が加速した。しかし、P2にも課題があった。身長が182cm、体重が210kgもあるため、階段を上りきるとモーターが焼け壊れることもあったことだ。そこで、ダウンサイジングの取り組みが始まった」

 そして2000年、身長160cm・体重130kgの「P3」を経て、身長120cm・体重43kg(当時のスペック)のアシモが誕生した。E0の開発から14年、試行錯誤を繰り返し完成したアシモは、より小型軽量化されただけでなく、人の顔を認識したり、手話もできたり、紙コップに水筒の水を注いだりと、能力も格段に向上した。また、親しみやすいデザインにより、より人間らしくなっている。池田部長が、人をよけて歩いたり、時速9qで走ったりするアシモの姿を映像で紹介すると、けな気で親しみ溢れる仕草が子どもたちの笑いを誘っていた。

第1部、第2部ともに子どもたちから質問が集中

 池田部長は最後に、著名なSF作家、アイザック・アシモフが提唱した「ロボット3原則」を紹介。これは、「第1条:ロボットは人間に危害を加えてはならない、第2条:ロボットは人間に与えられた命令に従わなければならないが、第1条に反する場合はこの限りではない、第3条:ロボットは第1条および第2条に反する恐れがない限り、自己を守らなければならない」というもので、池田部長は「この3カ条が守られている限り、人間はロボットに支配されない」と話し、講演を終えた。

 その後の質疑応答では、「アシモは算数などの勉強ができるのですか」、「アシモは料理が作れるのですか」など子どもらしい質問がたくさん寄せられ、子どもたちのロボットに対する興味や関心の高さがうかがわれた。

JARIの筑井研究員による講演

 第2部では、筑井研究員が「将来、クルマはどういう方向に進化していくのか」をグラフなどを交えながら分かりやすく説明し、子どもたちに環境やエネルギー問題の大切さを訴えた。

 筑井研究員は、世界のエネルギー消費量が増えている現状を紹介し、「このペースで消費が進むと、石油は41年、天然ガスは67年、石炭は164年で枯渇すると言われている。いかにしてエネルギー消費量を減らしていくかが課題となっている」と子どもたちに説明。また地球温暖化対策も重要な課題となっており、ハイブリッド自動車(HV),電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、クリーンディーゼル自動車、天然ガス自動車が開発されている背景を解説しながら、それぞれの自動車のメリットやデメリットについて話した。

 例えば、▽EVやHVはバッテリー性能や耐久性、充電時間、価格、▽FCVは原料(プラチナなどの貴金属)の価格や調達、水素の安全性の確保、▽既存エンジン車はさらなるクリーン化やエネルギー効率の向上――などが課題となっているとし、「将来、長距離移動は既存エンジン車やFCV、近距離移動はEVというふうに使い分けられていくのではないか」との見方を示した。

 また、「高齢者に優しく、今後、普及が期待されている」として、短距離移動に向いている超小型モビリティーも取り上げ、その動向を紹介。講演後の質疑応答では、「超小型車はどれくらいの重さに耐えられるのですか」、「超小型車の値段は安いのですか」など、超小型モビリティーに子どもたちの質問が集中した。

 今回のフォーラムは、こうした講演を通じて、子どもたちに自動車や科学技術に興味を持ってもらおうと企画され、子どもたちに自動車の最先端技術を興味深く学んでもらうことができた。



【開 催 概 要】

【日  時】

平成25年4月18日(木) 13時30分〜14時30分

【場  所】

日本自動車会館「くるまプラザ」会議室
(東京都港区芝大門1-1-30)

【講  演】

◇第1部 13:30〜14:00
・テーマ 「人型ロボットの開発について」
・講 師 一般社団法人 日本自動車会議所
      企画部長  池田 哲也 氏
◇第2部 14:00〜14:30
・テーマ 「自動車の現在と未来〜電気自動車を中心に」
・講 師 日本自動車研究所(JARI)
      経営企画室主任研究員  筑井 啓介 氏

【対  象】

御成門小学校5年生

【主  催】

日本自動車会館運営協議会(代表=小枝至日本自動車会議所会長)

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